宮城大会参加記(第67回全国大会)

 

 本当に久しぶりに歴史教育者協議会全国大会に参加した。例年より大会日程が遅くなり硬式野球部の合宿と重ならなかったこともある。しかし、2017年度に会場校を法政二中高で受ける予定なので、半分は大会の下見という気持ちだった。


 全体会では、文句なく岡田知弘氏(京都大学大学院教)の講演「『東北』の歴史から『創造的復興』を問い直す」が良かった。

 

 ここまでの震災復興がほとんどが中央や大企業の利益追求に費やされ、被災者の住宅・生活再建が後回しになっていること、そのことは1930年代の東北振興事業が「戦争と京浜工業地帯での生産力拡充」に費やされた歴史的経緯から考え直さなければならないこと、結局は日本国憲法の理念に立ち戻り「人間性の復興」から組み立て直さなければならないことを、実に説得力のある立論で語ってみせた。

 やはり一流の学者の真剣な議論はひと味違うと唸らされた。

 

2015年歴史教育者協議会 第67回全国大会
会場となった東北学院大学
会場となった東北学院大学


 次に個人的には、今大会で最も衝撃的だった「地域に学ぶ集い」を紹介したい。


 「原発事故災害のゆくえ」というテーマで原発事故被害いわき原告団長の伊東達也が、福島の現状を話された。言われてみれば当たり前だが、福島が直面している事態は「地震災害と放射能災害とが複合・増幅しあう破局的災害」である。その意味は、①国土が喪失された、②過酷な避難生活、③人々の命が奪われ続けている(震災関連死の増加)、④被害のさらなる深刻化(あらゆる分野の産業)、⑤市町村・集落の消滅の危機、⑥県民の間の分断と対立(放射能や賠償金など)など多岐にわたっている。まさに「破局的災害」は現在も進行中なのである。


 伊東団長の「苦悩する福島」の一節は、怒りに満ちていた。

  

理不尽な国策と闘う福島は

沖縄の人々とも

強い連帯を感じている

アメリカとの約束を守るためならば

沖縄を犠牲にしても構わない

原発を推進するためならば

福島を犠牲にしても構わない

暮らしの復興にこそ

福島の復興がある

人間の復興のために

福島は戦う

 

 「国策」の下に行われたことの結果を国民が甘んじて受け入れるのか、自分の「頭」でその行く末を考え行動に移すのか。福島の問いかけは重い。



  大会最終日。

 本当はフィールドワークに参加したかったのだが、野球部の練習試合が組まれていて2日間の参加はちょっと無理だった。そこで申し訳ないが最終日に、早く会場をあとにして松島へ。松島はいわゆる観光コースを足早にまわり、本当のお目当てだった多賀城跡へ。

 まずは「国府多賀城駅」近くの「東北歴史博物館」による。この博物館は宮城県が設立した歴史系博物館なのだが、予想上に展示が充実していた。近代史はかなりものたらないが、古代・中世史の常設展示はなかなか勉強になった。今後は、過去の地震や津波被害について充実してくれるともっと良いのだが。


多賀城政庁跡
多賀城政庁跡


 またちょうど特別展「徳川家康没後400年記念 徳川将軍家と東北」を開催していたので鑑賞した。松島の瑞巌寺から出品していた「伊達正宗公座像」をじっくり見ることが出来て大満足。他の展示物も徳川記念財団の全面的な協力で、ふだんあまり見ることができない品々が数多く出品されていた。


 そして博物館で歩き方を教えてもらい多賀城跡へ。歩くと15分ぐらいかかり汗をびっしょりかいた。小高い丘をのぼると多賀城の政庁跡だった。意外に高台にあることを認識。東日本大震災で指摘されていたが、東北の古代の重要な施設や神社などは、津波被害を免れるように造られていることを改めて理解した。


 久しぶりに大会に参加し、リフレッシュできたように感じた。


(事務局K.O.)


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